コラム
Column

vol.2:次につながる楽しいことを

大規模音楽イベントでリユースカップの全面導入に成功した「A SEED JAPAN」の山口直道さん

text by 地球・人間環境フォーラム

リユーストークupdate: 06-10-01

「ap bank fes '06」へのリユースカップ全面導入

山口直道さん

照りつける太陽の下、芝生の上で音楽を楽しむたくさんの観客が手に持つのはリユースカップ──。

静岡県掛川市つま恋で7月に開催された音楽フェスティバル「ap bank fes '06」では、何度も洗って使えるリユースカップが全面的に導入された。合計7万5,000人の観客、Mr.Childrenの桜井和寿さんらアーティスト、運営スタッフ、ボランティアなどすべての人が利用した。

 

「会場でリユースカップを知ってもらい、そこから普段の生活、家族や友達にも広がれば」と語るのは、国際青年環境NGO・A SEED JAPANの山口直道さん。主催者・出店者との調整の他、各日ボランティア130人をまとめ、4万5,200個の使い捨てカップの削減に成功した。

 

ap bank fes '06(2006年7月15~17日)で使用されたリユースカップ。A SEED JAPANの保有するカップ(緑)のほか、ネットワーク参加10団体から貸し出された合計4,000個の共通リユースカップ(水色)が会場で使用された。

「ap bank fes '06を成功させるために、人生で一番充実した忙しい日々を過ごしました。終わった後はしばらく放心状態でした」と語る山口さんは現在國學院大学3年生。ラジオで聞いた登山家・野口健氏の環境活動に興味を持ち、大学で環境サークルに入ったが、学内で出来ることに限界を感じた。平行して、大好きな音楽に打ち込むためバンドを組んでいたが、部室はゴミでいつもあふれていて誰も片付けない。

 

「ただ楽しいことは後に何も残らない。楽しいだけでなく、次につながることがしたい」と感じていた2003年、野外イベントで来場者参加型の環境対策を行うごみゼロナビゲーション活動を進めていたA SEED JAPANに出会った。

 

山口さんの最終目標は、もったいない精神に裏付けられたリユースを日本文化としてさらに定着させること。サッカー場や地域のお祭りでも使われ始めたが「日本の音楽フェスティバルではリユースカップ」が常識となる日はそう遠くないかもしれない。(M)

 

グローバルネット2006年9月号(財団法人地球・人間環境フォーラム発行)『FRONT-話題と人』より抜粋

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