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従来の使い捨て紙コップやプラスチックカップに替えて利用した場合、ゴミの排出を抑制できます。また、こうした使い捨てのカップを使った場合に比べ、エネルギー消費量や二酸化炭素(CO2)の排出量、水の使用量などが少なくて済むため、資源の節約や地球温暖化の防止につながります。
東大安井研究室が行ったLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)(※注)では、使い捨て紙コップと比較した場合、リユースカップ1回使用ごとに、例えばCO2排出量を68g(炭素換算)減らすことができます。LCAの詳細については、H15年度リユースカップの実施利用報告書にまとめています。概要については、以下の論文でも紹介されています。
イベント会場で使用されるリターナブルカップのLCI分析(中澤 克仁氏ほか報告) 【PDFファイル】
(※注)
生産段階から使用・廃棄段階まで、製品の一生(ライフサイクル)を通じた消費エネルギーや資源、環境へ排出される汚染物質、廃棄物などを定量的に分析、評価したもの。
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大分トリニータのホームグラウンドである大分スポーツ公園総合競技場(通称ビッグアイ)で2003年3月、国内で初めて導入されました。またJ2・ヴァンフォーレ甲府のホームグラウンドである小瀬陸上競技場で、2004年4月から導入されています。
このほか2005年8月には、J1・横浜F・マリノスのホームグラウンドである横浜国際総合競技場(7万2,000人収容、これまでは最大規模)での導入。同じく9月からはJ1・名古屋グランパスエイトのホームグラウンド、みずほ陸上競技場でも導入されています。
●各競技場での利用状況
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ビッグアイ(大分) |
小瀬競技場(甲府) |
| 対象ドリンク |
ビール、ソフトドリンク |
ビール、ソフトドリンク |
| デポジット額 |
100円 |
100円 |
| カップ回収率 |
86% (2004年3〜6月の9試合平均) |
78% (2004年4〜7月の10試合平均) |
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横浜国際総合競技場 |
瑞穂陸上競技場(名古屋) |
| 対象ドリンク |
ビール、ソフトドリンク |
ビール、ソフトドリンク |
| デポジット額 |
なし |
なし |
| カップ回収率 |
95% (2004年8〜11月の4試合平均) |
94% (2004年9〜10月の3試合平均) |
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食品衛生法では、「営業上使用する器具及び容器包装は、清潔で衛生的でなければならない」とのみ規定されており、具体的な実際の運用基準は各都道府県の衛生局や地元の保健所などの判断に委ねられています。
例えば大分ビッグアイで利用されているカップに関しては、地元の保健所の指導のもと、業務用の食器自動洗浄機による洗浄(85℃、1分40秒)と温蔵庫による乾燥(80℃、15分)の後、梱包前に最終チェックを行うという衛生管理を行っています。 |
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デポジット(預かり金)をかけると、一般に容器の紛失やポイ捨てを防止する効果があると言われています。不特定多数の利用者が集まる大規模なイベントでは、デポジットのこうした効果が確かに期待できますが、店舗が返金対応に追われる、または別に回収所を設けなければならない、釣銭管理の手間が増えるなど、主催者の人的・金銭的負担が大きくなるのも事実です。
システムの説明や周知が徹底できるような小規模イベントについては、デポジットなしでも100%近い回収率を達成した事例も見られます。また、サッカー場のケースでも、デポジットなしの横浜・名古屋の方が回収率がむしろ高くなっており、「デポジット=高回収率」とは一概には言えないようです。ポイントとしては、利用者への返却システムPRを徹底する、当日の運営スタッフがシステムを十分理解している、利用者が返却しやすいような回収所を設けるなどが高回収率実現の条件となっているようです。 |
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イベントでの使い捨てを見直し、ゴミを減らすため、近年、県や市によっては、再使用食器と食器洗浄機を専用のトラックに載せて貸し出すという施策を始めています。ゲシルモービル(ドイツ語で「皿を載せた車」の意)と呼ばれる、食器と洗浄設備を搭載したこの車両は、お祭りやイベント会場にそのまま乗りつけリユースを行うため、ドイツでは主要都市を中心に広く貸出が行われています。
日本では、石川県のピカピカ号、札幌市のアラエール号、那覇市のエコフレンド号、名古屋市のアラウくん、仙台市のワケルモービルなど、貸出を始める自治体が増えています。また、千代田区(東京都)は、カップとお皿を貸出す事業を実施中です。NPOでは、環境対策支援便
RE-ECO(京都市)、A SEED JAPAN(東京都)などを中心に、イベント向けのカップ&食器の貸出しコーディネイトを行っています。 |
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| サッカー場で利用されるカップは、投げ込まれた場合の安全性なども考慮し、ポリプロピレン(PP)という柔軟性のある、割れても破片が飛び散らないプラスチック素材でできています。また、地球・人間環境フォーラムが行っている貸出用のカップには、このほかポリエチレンナフタレート(PEN)製のものもあります。PENは透明性・硬性・無臭性が高い(=ガラスにより近い)素材です。PPに比べキズもつきにくく、また温かい飲み物の利用にも向いています。 |
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2005年8月よりリユースカップを導入した横浜国際総合競技場を例に試算すると、1試合あたりのゴミの総排出量は約3.9トンで、年間では約70トンにものぼります(2003年、Jリーグ18試合での実績)。このうちリユースカップの導入で発生抑制が可能となった使い捨ての紙コップの量は1試合あたり約240kg、年間では4,320kgになります。しかし、これは全体のゴミ排出量の約6%に過ぎません。
サッカー場に限らず、イベントやアミューズメント施設における抜本的なゴミの減量には、紙コップ以外の使い捨て飲料容器(缶・ビン、PETボトル、紙パック)、そしてお弁当容器などへの対策が不可欠です。 |
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